この間久しぶりに元上司と真昼間からチョイ飲みする機会があったんだ。
その時聞いた話がなかなかいい話でココロに残ってる。
強面の部長あるあるでしたか?

新規開拓でやってきたまだ若い駆け出しの営業マン。
入社2年目ってところ。これまでその会社とは付き合いがほとんどなかった。
ある日たまたま時間が空いている時に来社していたので、ま会ってやろうかっていう気持ちになって会ってみた。なぜそんな気持ちになったかっていうと、受付の女性社員がお会いしては?
というのでふ~んと思ったのさ。初見ではなかなか管理職には会えないもの。
それをいきなり、担当者を飛び越えて会ってみてはという。
何か面白い青年なのか、どこか魅力があるのか、ちょっと気になったのさ。なにせ、受付嬢は男の値踏みは確かだからね。
それで、ほんの15分ほど時間をとったっていうわけだ。
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果たして、彼はなかなかいい青年だった。
初めて会うのだから、いきなり自社紹介や商品説明をするわけじゃない。
自己紹介から、扱っている製品や注力している分野などをひととおり話してもらった。
ごく普通の営業スタイルっていうところだ。そんなとき、ふと彼のしている「腕時計に目が行った」。
それは、TAGホイヤーのマリンスポーツ仕様。
かなり値が張る。
彼に買えるものではない。そこで、ついつい聞いてしまったのさ。
「いい時計しているね、腕時計が趣味なのかな」彼は、それまでとは違って、ちょっとばかりはばかりながらも、その時計の顛末を話してくれた。
「これは、サブスクで借りているものなんです。
月額数千円から数万円までで定額で、好きな時計を月単位で借りているんです。
少し無駄に思えるかも知れませんが、これはこれで励みになるんです。
自分は田舎の両親に大学生活の全てを支援してもらいました。
それは相当負担になっていたはずです。
でも、それだからこそ頑張らねばならないと思い返すことが必要です。
この時計は、そのキーなんです。
これを見て、いつか自分で買えるようになる、これが本当に似合う人間になる。
そんな気持ちを持ち続けるために、あえてこうして借りているんです。」あのね、昭和人間って浪花節に弱い。
江戸っ子なら人情噺に弱い。
それですっかり彼が気に入ってしまった。
その後、担当者と係長を呼んで紹介してあげたよ。
歳をとると余計なお世話をしがちになりますが、どっこい今の若者だってちゃんとしている。
自分の同じ年ごろと比べても自分の考えがちゃんとあって、しっかり説明できたり。
いい点もたくさんありますよね。
それでも、やっぱりそういう清々しい気持ちっていうのは、なんというか打たれますよね。
で、彼はみごとに訪問先をひとつ獲得したわけですね。
部長もかなり温和になられたのでは(笑)。
そういうことだった。
普通なら生意気に取られても仕方ない分不相応の高級腕時計。
自分の気持ちを伝えることで、身につけている価値と意味が上がった。
それにしてもサブスク時計とは世の中変わったものだ。
今まだじっと未来を見つめてチャレンジ我慢のとき。
でも、いずれはそれにふさわしい男になってやる。
そんな気持ちで自分を高める手段として自己投資しているなんて、凄いなあ。
時代は変わっている、でもそれをどう生かすかは自分次第っていうのは変わらないわけだ。
でもさあ、つい最近まで時短営業だったのに、いきなり真昼間からお酒が飲めるなんてなあ(^^♪
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