メゲて落ち込んでしまっているなら対処しよう
そもそも、人事考課制度は、会社によってかなり差異が大きいもの。
大企業では「数値化」が進んでおり、公平性、透明性がかなり高まってきているのも事実。
writerの勤めていた企業では、
- 業績評価
- 行動評価
- 人物評価
- 改善評価
- 創造評価
などの評価指標で積み上げ算定される仕組み。
入社から、点数を積み上げて、一定の点数が積み上がると昇給や上位職へのテーブルにつける。
こうした算定方式も社員に開示されていて、面談でも上司から詳しく説明される。
もし、人事考課制度がある程度透明で開示されているなら、自分で2通りの評価をしてみるのも良い方法です。
自己評価を改めて整理する
まず主観(悩んでいる自己評価)評価する。
次に、客観的に「なぜなに」を考えながら評価してみる。
例えば、
- 業績は通期で3位くらいの成績
- そのためにどういうアプローチを取ったか(社内外)
- 自分の普段の社員としての行動は模範的だったかどうか
- 評価期間で何か会社の利益になる具体的な改善があったか
- 新たな利益につながるような創造的な成果があったか
自分でやってみる。
どうしてそう判断するのかを「なぜなに問答」をしながら進めることで、
- 新しい視点に気づく
- 仮説を立てることができる
今までの主観的な感情まかせの状態から踏み出すことができます。
例えば、業績が上位だったとして、
- それは会社が優先して販売したいものだったのか
- 短期利益に終わるのか長期的にも利益が続くものなのか
- 会社全体の利益が上がっていて、他者も業績が底上げになっていないか
こうした、クールな思考を持つことで、今まで見えなかった、隠れていたものが見えることがある。
経験から例を挙げると、
- 業績を上げたA商品は今年度て撤退するもので積極販売ではない
- 売ると保守も必要なので、短期利益は上がっても会社としては面倒になる
- 同じことを考えた社員が投げ売りして販売額が皆上がっている
こういう状態では、業績が上位であっても思うほど良い評価は取れないかもしれません。
高評価を得た社員は、
- 会社が今から売りたいとしている商品で業績を上げた
- これからも何回かの商機がある契約になっている
- 難しいものにチャレンジしたことであがった成果、業績だった
このような社員がいれば、そちらが高評価を取ることも十分あり得る話しです。
絶対評価ならば、目標額を超えた割合などの数値で上位が高評価を取る。
しかし、評価は相対評価が基本。
- 人により求められているレベルも異なる
- 将来を展望して、求められる考え方や行動も異なる
会社がそれぞれの社員に望むことが満たされないと高評価にはならない仕組みになっているわけです。
無能な上司なら自分が有能になる
人事考課時期は上司への不満がいっきに高まる時期。
- あそこの課長は部下を出世させる
- あの課長はうだつが上がらないので部下になりたくない
- 好き嫌いで評価しがちなダメ課長らしい
こうした上司の評価が喧伝される時期。
人生には、どうしても残念な要素があることは否定できません。
宝くじに運良く当たる人と、何度買ってもリターン無しの人との差は「運」としか言いようがない。
もし、面談でもどうにも要領を得ないような答えしか返ってこない上司なら、先に作った自己評価を持って再度説明を求めるのも良い方法です。
会社は、評価を起点にしてより良い方向に進むことを期待しているので、むげには扱えない。
上司にも、応える義務(それが管理者の仕事)があり、果たすべき役割なので真摯になるしかない。
それでも納得、理解できない場合は、上司に人事部門を交えた面談を希望する、人事部門からのより正確な回答を求めるなどもできます。
いずれにせよ、大事なことは、その評価、考課を起点にして前進していくこと。
ただし、注意点を一つ。
- 課長など上司も人間であること
- 人間は(自分も含めて)万能、かんぺきではないこと
- 人によりキャリアが異なること
こうした要素を踏まえておくことです。
上司がいかに信頼できないからといって、
- 頭越しに行動する
- 能力を疑問視、否定する
- 不得意点ばかりを指摘する
こうした言動があれば、以後、「感情的な評価」を受けかねません。
確かに、上司である以上、求められる所定の働きを果たすべきです。
それでも、あえて言うならば、それがなかなかスムーズに行かないなら、こちら側も考えるべきです。
- こまめに相談するなどして、小さなことから確認をしていく
- 報連相を励行して、評価に繋がるように常に調整を図る
それを「お調子者、ゴマすり」とか揶揄していませんか?
結局、「自分に返ってくるものは、自分が普段から考えている、行動していることそのもの」だということです。
上司も、何のコミュニケーションもないまま、自己主張だけする社員は使い辛いでしょう。
アドバイスもできない、調整や合意もできない。
これでは「正しく評価できないのも当たり前」。
こうした会社員としてのTPOができている社員を会社は歓迎します。
それは、もう当たり前のこと。
会社の求める人材に近づくことが会社でも評価を得ることの基本。
それが嫌、風土が合わないと感じるなら、別の道を選ぶことも考える必要があります。
終身未完成で創り上げるのが人生
人事考課でショックを受けることは誰にでもままあることです。
毎回最高の評価を受け続ける、、、そんな社員はほとんどいないのでは?
でも、自己評価が高い優秀な人ほど、そうした当たり前のことがわからなくなりがち。
これまで上昇気流にしか乗って来なかったので、エアポケット未体験というわけです。
しかも、常に自分でも納得できる成績を取ってきただけに、理由がわからない。
これまでと変わらない姿勢で努力を重ねたのに!
目標が違っている
毎年度ごとに会社の方針や目標が定まります。
それを達成すべく全ての社員が所属先の仕事の中で目標を掲げて取り組んでいく。
ちょっと立ち止まって確認してみてください。
自分の持っている目標は、会社から期待され望まれているものとイコールですか?
ひょっとして、ズレがあるのではありませんか?
これはよくあることです。
- 思い違い
- 自分の理想論が先だった
- 上司の説明不足に起因する方向違い
こうした目標のズレが評価を下げている原因かもしれません。
課題は一生ものではない
学校を卒業して就職した時から、退職するそのときまでが会社員人生です。
しかも、ずっと同じではなくて変化がある人生。
・所属が変わる
・役職が変わる
・勤務地が変わる
・時には子会社など会社まで変わる
その変化に対応して、社員自体も変化することを求められている。
入社した時は、さあバリバリ自分を発揮するぞ!
意気揚々としていたことでしょう。
しかし、新入社員のままでは到底こうした変化に対応できません。
そこで、会社は人事育成をしながら社員を創り上げていく仕組みを採っている。
それが、人事考課です。
人事考課でショックを受けがちな社員が忘れがちなこと、
- 一度の評価を絶対視し過ぎる
- 失敗や不調からも学びは得られるし得るべき
- 会社員として退職のその日まで成長を続けることが求められている
つまり、会社員人生とは「終身未完成であり、たゆまぬ前進、進歩で自分を創り上げる人生」だということです。
社長が交替することを考えてみてください。
常に上手く行きますか?
社長になるくらいなので優秀で人望もある。
それでも必ず上手くいくわけではない。
時に社長に向かないという評価を受けることもある。
早期退任なんていうことも。
あなたの会社には研究部門がありますか?
あるなら、そこで研究職にある人はどうでしょうか?
・爆発騒ぎを起こすなど悪評が立っている
・何年やっても結果が出ていない
・毎日遅くまで時間を惜しんで努力を重ねている
・早くしろ!と会社から矢の催促を受けながら強烈なプレッシャーの日々
それでも引けない立場に置かれている。
社員も同じ。
仕事で知見を得てノウハウを蓄積し新しいものを切り開く。
そのために、目標を持って毎年チャレンジしていく。
その確認指標が人事考課です。
上手く行かなければ原因をつきとめて改善すればいい。
次回、次期、来年度という場は平等に与えられているわけです。
人事考課でショックを受けたなら、そこからどう考えて行動するかが大事なこと。
それができるかできないかで、次が決まる。
人事考課でショックを受けた人が飛躍できる確率は10%。
それは、
- 5%の人が正しく受け止めて改善して成功への機会にしている
- 5%の人が「転職」を選んで新天地での成功の機会にしている
ほとんどの人は考課、評価を素直には受け取れないでいるのです。
どちらを選んでも正解です。
選んで動けば飛躍できる5%の仲間入りです。
不正解は二通り、
- 落ち込むだけで何もしない
- 仕方ないと受け止めるだけで未来につながる思考、行動を起こさない
結局、「何が何でも高い評価を得て豊かになりたいか、何者かになりたいかどうか」、「その気持ちがどれだけ大きいか」です。
ぜひ、より良い方を選び取って、ショックを乗り越えて、未来を創り上げてください。
Writer:間坂元課長
間坂元課長、、、つまり私は、社員数が万を超えるとある大企業で管理職をしていたことがある。
入社時は、ファイナンス系部門で債権整理などを担当。
その後、人事評価や採用の主査(係長はライン長、主査は単独職位)に就いた。
そこで、多くの面談を経験して、不満や希望を嫌というほど聞いてきた。
こういうセクションはほとんどが別クラスの超エリートばかり。
なので上司は将来役員候補がズラリ。
そんな中でただひとり「Cランク大卒(しかも留年経験者)なんでアイツが、マサカあいつが!」という名前通り嫌味たっぷりのサラリーマン生活を味わっていた。
その後地域支社の営業課長を経て本社の営業課長になり、さらにマサカが起きた!ということで、ますます「マサカ課長」と呼ばれることに、、、。
(それ以上昇進の見込みが無いので)子会社へ名前だけ部長で出向して会社生活を辞める。
苦節苦汁を味わいつくしたからか、たとえそれが取るに足らない小さな悩みでも、余計なお世話をせずにはいられないという性分で今を生きている。